ロス感
近頃、大河などのドラマで、ドラマ自体が終わったり、登場人物が亡くなると、「〇〇ロス」って話題になりますよね。
そこまでドラマや登場人物に気持ちが入ったことはなかったんですね。好きな俳優さんは居ますし、映画やドラマも好きなんですが…
いろいろあって、入り込みすぎないように、あんまり見ないようにしてます。
先日、元相棒のBMWE46 318ciが引き取られて行ったのですが、その前日や次の日にロス感ってこういうことなのかな、と思いました。
なんか、おっきなものを失った様な感じでした。
それを「アナログ」とのお別れと、少し無理やり表現してみたのですが、どうもしっくり来ませんでした。
私が免許取った頃には既にパワステとATが一般で、ブレーキのサーボだって。
アナログとはなにか、っていうことになれば、どこまで遡るんだっていう議論になります。
インジェクションとキャブ?もっと?
多分私がロス感を覚えてるものは、アナログが主じゃないのでしょうね。
318に乗り始めてから、速く走ろうとする場所に行くと、あまり良い評価を聞きませんでした。
その評価は正しくもあり、間違いだったこともあり、私へのお気遣いだったこともあるし、客観的事実でもあります。
比較対象にも左右されます。
車のことをよく知らなかった時は、それにいちいち傷ついていましたが、運転に一生懸命になり、自分の車のことを知ったり考えたりするうちに、この車にとって、どういう方向へ行くのが良いのかな、この車の良いとこはどこかな、この車らしく走る、というのは?
いつのまにかそういうことを頭の隅っこで考えていました。
今までに実感したことは、安定性は抜群だけど非力。安易に振り回すとタイヤが太めで接地圧が低いので、アンダーでコースアウト。
荷重移動をうまく作り出し、無理をしないで「速く」走るのは意外と難しい。
無理をしても車の能力は使い切れないし、ハイグリップは足回りが負けるかもと聞きました。
(普通に走る分には何も起きない。雨と雪が苦手かも)
車に手を入れるのはあまり自分の好みには入ってこない所でした。
タイヤのランクを下げたので、荷重移動をうまく使わないと、タイヤが先に負けてくるので、車を使い切れない感じです。
うまく使えば思っていたよりも速くて、ユイのオーバル走行でステップアップな荷重移動を教えてもらって知った時は嬉しかったですね。
私はそれまでいくつか勘違いとか、無知なことがあって荷重移動を十分使い切れていなかったので、走り方は随分良くなっても、車やタイヤに無理をさせずにタイムを詰めることはできずにいました。でもその間に得たものも大きかったです。
夏に鈴鹿で、どうにか、無理していた頃(タイヤのトレッドの横の溝が反る)と同レベルのタイムにたどり着き、そこで初めて、タイヤに頼りすぎずに走る事というのはこういうことかもしれない、という予測まではしたものの、一部は実感を持てたかどうかあやふやです。
車の力を使い切れなかった悔しさ、物足りなさ、そして、エンジンの感触、あの車に漂う時間の流れ、車を持つこと、維持することへの考え方。自分にはたりないものがたくさんあった。
書き切れない思いがあり、この先そう何度も車を買い替える機会が多くないだろうと、自分のこの先の人生を考えた時に思います。
同じようなものには二度と逢えない。
その思いにアナログも一部含まれます。
ルーテシア3RSを選んだのも、まだ求めるアナログの延長線上にあったからでもありますが。
ルーテシア3RSに乗り換えて、実感したことは、やっぱり車の性格ってあるんだな、っていうことです。
サーキットが楽しそうな車。
だけどちゃんと乗れたら街乗りも楽しそう。
そういう印象です。
実際の感触は、乗ってみるまで分からなかったけれど、ある程度は予想通り。予想を超えた展開は、今の私には起こせそうにない(笑)
車の能力が高いので、基礎をまた頑張らないと。