ばあちゃんと犬
半身付随の母の横で一緒に寝るのが大好きな我が家の犬。
実は父母の部屋には猫がいます。
過去に何度か、知らないうちに犬がキャットフードをキレイに食べてしまったことがあります。
しかし、先日、母に蒸しパンを食べさせてあげた残りを片付け忘れたまま、犬を部屋に入れてしまいました。
しばらくして母のところに戻って…あ…
半分残っていた蒸しパンは跡形もなく、母のメガネが外れて枕元に。
やられたぁ〜
パンに到達するために、ばあちゃんの顔を踏んづけた可能性すらある(−_−;)
「あんた、ばあちゃんのパン食べたの?」
片付け忘れた自分のミスなので、怒っても仕方がない。一応そうやって優しく犬に聞いてみるけれど、答えるわけもなく。
「お母さん、〇〇ーがパン食べた?」
これまたほとんど問いかけに答えない母に冗談で聞いてみる。
子供のような瞳で周りの会話を聞き、すごく単純な冗談とか変顔に「フフッ」と笑うのみの日々。
なのに!
「いや、わたしおぼえとらへん」
日頃聞かないようなハッキリした語り口で返事が返って来ました。
普段ほとんど喋らない、喋ってもゆーっくりしか喋らない母が、慌てたようにそう言ったのです。
内心ものすごくびっくりしたのですが、後になって、もう可笑しくて仕方がなくなって来ました。
ばあちゃん、完全に犬をかばっています。
以前父から聞いたのですが、時々、お医者さんで、介護認定のためとか、症状の把握のために、今日の日にちなどの簡単な質問をされるそうなのですが、看護婦さんと先生で、母の対応が全く違うんだそうです。
先生の時は自身の全能力を使って、普段しないようなしっかりした対応をするそうです。
その代わり、その後がぐったりするらしいのですね。
本人が今が正念場と思った時は、フラッシュ的に対応できるんですね。
かばってもらった犬は幸せ者です。
しかし笑えた。
絶対なんか知ってるやろ…っていう
「おぼえとらへん」
ひとりで腹がよじれるくらい大笑いしました。